公開日: 最終更新日: 2020年07月

コロナ禍での生活必需品のマスクをマイクロスコープで観察してみました

現在コロナ禍によって、感染拡大を抑える手段として世界中でマスクの需要が高まっています。
通常、私たちが薬局やドラッグストアで購入するマスクは花粉症対策用やインフルエンザ予防用といったものになります。
一方で医療従事者をウイルスから守る目的のマスクがあります。
”N95マスク”という言葉を耳にしたことはありませんか?
私たちが普段使用するマスクとN95マスクではどのように違うのでしょうか

  • 一般のマスク

  • N95マスク

マスクの種類は様々ですが、一例として
花粉症予防用マスクは、30ミクロン(30/1000ミリ)の微粒子を捕集できる不織布(繊維を折らずにシート状に加工したもの)が使用されており、
インフルエンザ用は、5ミクロン(5/1000ミリ)という、さらに微粒子を捕集できる不織布が使用されています。
医療従事者が使用する”N95マスク”とは、0.3ミクロン(0.3/1000ミリ)の微粒子を95%以上捕集できるマスクのことで、呼吸器へのウイルスの侵入を防ぐ目的になります。

この2種類のマスクを弊社DS-400Cマイクロスコープで観察してみました。
200倍で観察した画像です。

  • 一般のマスク

  • N95マスク

シート状にする加工方法に違いはあるものの、市販のマスクは繊維間に隙間ができています。
N95マスクは繊維がびっしりと隙間を塞ぐようにに、層のように入っており、奥がわからないほどです。

今度はN95マスクを400倍で観察してみます。


400倍にすると焦点深度と言って、ピントの合う範囲が浅くなるため、一部にしかピントが合いません。これだと、繊維の状態が今一つわかりません。
そこでDS-400Cマイクロスコープに標準付属のレオパードソフトを使用し、深度合成を行ってみます。
この機能は、ピントの位置を変えながら複数枚の画像を取り込み、最後に取り込んだ画像を重ね合わせるようにして、焦点深度の深い画像を作成してくれます。

400倍で、深度合成機能を使用した画像です。


繊維が何重にも交差しています。
医療従事者の呼吸を確保しながらもウイルスを捕獲してくれる役割をしています。

深度合成については 深度合成・画像合成とは?をご参照ください。

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