公開日:2020年8月19日 最終更新日:2020年08月20日

CD、レコード盤をマイクロスコープで観察してみました

コロナ禍によりいつもより自宅で過ごすことが多くなりました。そんな自粛生活では音楽によってストレスから解放されたという人が多いと思います。現代ではスマホで自由に音楽をダウンロードして楽しむことができますが、スマホが登場する以前はCD が主流。さらにCDの前はレコード盤が長く音楽メディアの主流であった歴史があります。

少し前の主流であったCDとはどんなんものなのでしょうか?
簡単に言えば直径12センチ、または8センチのプラスティックの円盤内に細かいくぼみが渦巻き状に彫られており、これがデジタル信号のもととなります。実際には赤外線レーザー光を円盤内に照射し、そこから反射した光を受光します。くぼみ部分と、くぼんでいない部分で反射も異なることから、その明暗をデジタル信号としてとらえ、音に変換しています。
実際のCDを見てみましょう。肉眼で見ても反射して鏡のようにしか見えません。
DS-2000マイクロスコープを使用すると表面の状態がわかりやすくなります。約2,200倍に拡大して見ます。長さが異なるたくさんのくぼみがあります。まさにデジタルの情報です。

*撮影について
約2,200倍(20インチモニター上)。  同軸落射照明+偏光フィルターを使用
一般的なマイクロスコープは、観察体の周りから照明を当てて、反射した光(=画像)を取り込みますが、DS-2000は同軸落射方式といって、画像をとらえるレンズの光軸と同じ方向から照明を当てる方式なので反射が軽減され、観察体の表面状態をとらえることが出来ます。さらに反射を抑える偏光フィルターを使用しました。

では、レコードとはどういったものでしょうか。
その歴史は古く、1857年に音を記憶するだけの装置はできたようですが再生はできず、ようやく1877年に米国のトーマス・エジソンが音を再生できる円筒形状の蓄音機を開発しました。
翌年の1878年に米国のミエール・ベルリナーが、レコード盤や今日のCD,DVDにつながる円盤式の蓄音機を開発しました。
レコード盤は直径30センチまたは17センチが主流の塩化ビニールで出来た円盤です。
レコードプレーヤーという、レコード用の針を接触させて音を再生する装置を使用します。

DS-3Aマイクロスコープを使用して、レコード盤を150倍(20インチモニター上)で拡大観察してみます。
渦巻き状の溝は、想像とは違って、くねくねしています。
技術的な問題で溝が綺麗に削れなかった訳ではありません。 
このくねくねが、とても重要なのです。

レコードから音を再生する原理を簡単に説明します。
レコード盤をレコードプレーヤーのターンテーブルという円形の回転台に載せて、一定の速度で回転させます。
レコード盤内に渦巻き状に刻まれた溝にレコードプレーヤーの針を下ろすことにより、回転しているレコード盤の溝に沿って針を走らせる状態になります。溝の幅や起伏が、その針を振動させ、さらに、その振動音を増幅させて音として再生します。溝の片側はスピーカーでいう右チャンネルの情報、もう片側は左チャンネルの情報を持ちます。

DS-2000 マイクロスコープを使用して、この溝をさらに拡大観察してみます。
レコードの表面と溝の奥では段差があるため、ピントを両方に合わせることが出来ません。
レオパードソフトの画像合成機能を使用し、レコード盤の表面から溝までピントの合った画像を作成しました。
   *画像合成:“深度合成・画像合成とは”を参照ください。

白い部分がレコード盤の表面です。(照明の関係で白く映ります。)黒い部分が溝になります。


  • 約900倍
    溝の幅、起伏が複雑な音を表現してくれます。 

  • 約1400倍
    溝の中心線にそって、レコード針が進みます。

  • 約2200倍
    とても複雑な形状です。

  • 約1800倍
    真っすぐな溝で、起伏もありません。
    ここには、音が入っていないからです。
    小さなジーという音がする程度ですが、
    曲が始まる前の部分で、これから始まる期待を与えてくれる役割をして
    くれます。

                          

レコード盤の短所としては、溝にゴミの付着や傷があると、針の通過を遮ってしまうために音が飛んでしまうことがあります。また、溝と針の接触ということでお互いが摩耗してしまうことや、盤自体が大きく、曲の収容量にも限界があることです。 
さらには、途中の曲を選択する時は手動で操作する必要があることなどから、長かった歴史を終え、CDといったデジタル製品に交代していくこととなりました。


レコード針の進行方向にゴミがあると、針が振動を拾えず、音飛びになります。

それでも溝の幅や起伏によって生まれてくるアナログの繊細な音を表現してくれるレコード盤は、
デジタルには無い音として再び見直されて、レコード盤での音源を求める人が増えているようです。

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