公開日: 最終更新日: 2022年10月

UVLEDの寿命を左右するもの

UVLEDの寿命は波長により違いがあります。365nmの波長に比べて、385nm,395nm,405nmは同条件では寿命は一般的には長くなります。
当社の納入実績からの一般的な感じとしては、365nmは2万時間から3万時間、385nm,405nmは3万時間から4万時間の寿命です。

寿命を語る場合UVLEDの発光部の温度は低ければ低いほど寿命にとっては有利になります。
したがって冷却は寿命にとって大きな要素になります。
当社ではUVLEDを高密度に実装して高照度の製品を提案する場合、UVLED寿命を考慮して水冷を提案しております。
ただ水冷の場合、水漏れの心配、冷却用にチラーを設置しなくてはいけないという面倒さ、などもありお客様は空冷を希望されるケースの方が多数を占めます。

UVLEDにおける冷却の重要性

では冷却によってどれくらい寿命の差が出るでしょうか?当社の独断の意見ですが、2倍程度の違いは出ると言えます。当社ではUVLED基板の温度をモニタリングしており、80度でアラーム信号、100度で自動的にシャットダウン(消灯)します。
あるお客様で納入後3か月くらい経過してこのシャットダウンの現象が時々発生しました。調べたたところ空冷の排気用ダクトに問題があり十分な冷却ができていなかったことが判明しました。クリーンルームでの使用なのでお客様側で排気用ダクトを用意されていましたがダクトの径が十分ではなかったようです。その後ダクトを改善して基板温度は下がりシャットダウンはなくなりました。ただ設置2年半後当たりでLEDの照度が初期値から徐々に60%程度まで落ちました。この時点で年間点灯時間から計算すると1万時間以内でした。寿命が短かった理由は、初期の冷却の問題が起因していることは明らかでした。冷却さえ問題なければ倍以上の寿命は達成できたと考えると冷却の重要性を改めて感じます。

UVLEDの冷却の方法

空冷の場合

空冷では風を与えて熱を取り去ります。

この写真のエリア照射器では上部のファンから下にある冷却フィンに対して風を当て、両サイドから熱を取った風を排出します。冷却フィンの面積が広いほど熱が多くとれます。ただ入ってくる風があたたかいと熱を取る効率が悪くなります。

水冷の場合

水冷の場合は冷却水をホースで冷却部に入れて、水で熱を取り去ります。空気と比べて効率よく熱を取り去ることができます。

ですから冷却部は小さくまとめることができます。
ただし別途、水温が20度程度に保たれるチラーの設置が必要になります。
例えば20度の水がUVLEDの熱であたためられ26度程度で排出された場合、LED基板の温度は26度程度なのでUVLEDにとって非常に良い温度となり寿命的には有利です。

当社のUVLED照射器にはUVLEDの基板の近くに温度センサーを付けています。常時UVLEDの基板温度をモニターして問題がないかを監視しています。

80度を超えるとアラームが点灯し、100度になった場合は自動で消灯します。安全のためです。

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